青山修也/GHF設計

担当
グリーンハウスフィールド設計

プロフィール
美しき瀬戸内地方の住環境を豊かにしたいと建築活動をする傍ら、こどもを育てる環境、こどもが育つ環境をもっと良くしたいという思いで「NPO法人むかいしまseeds」を設立。「こどもを真ん中にまちをつくろう」を合言葉に、住環境や子育て環境をつなげることでより生きやすい未来を思い描く。みらいのこども舎では、グリーンハウスフィールドの設計を担当。
・アトリエアーキツリー代表
・むかいしまseeds代表理事
・京都造形芸術大学非常勤講師
・2児の父

グリーンハウスとフィールドへの想い
わたしは建物や人が集まる場、人が使うモノの設計をする建築家と呼ばれる仕事をしているのでみらいのこども舎のプロジェクトではグリーンハウスの設計やフィールドのデザインを担当しました。

今までいくつかの保育園や幼稚園の設計にも携わってきましたが、今回はその経験とは全く違い、「子どもにはどんな場所が必要なのか」ということを原点にかえって考えさせられる体験をしました。このグリーンハウスとフィールドを使って子どもたちにどんな時間を過ごしてほしいか、わたしが想像したことをお伝えします。

みなさんは、はじめてキャンプをしてテントで寝たときのことを覚えていますか?あのドキドキ感、ワクワク感、ただ一枚の膜で覆われているだけなのに風を遮り、雨に濡れることもなく、友だちや家族と肌を寄せ合う親密な空間。と同時に風の音や雨の音が聞こえ、太陽や月の明るさなど、外の気配も十分に感じられる自然に近い空間。その心地よさと楽しさ。

このグリーンハウスはそんなテントのような空間をイメージしました。大きさは横6m×幅18m、天井高は3.6mもあるのでテントというには大きすぎる空間なのですが、一枚の膜で覆われただけという自然との近さは、まさにテントに似ているのではないかと思います。中は広々としているのでテントやティピ、小屋を建てることもできます。絵本コーナーやままごとコーナー、こどもの自由な発想の遊び場だっていとも簡単につくることができるのです。このグリーンハウスは広いテントのような、内と外をつなぐ広い縁側のような空間なのです。

フィールドには造園家の友人にみかんの樹と梅の樹を植えてもらいました。実の収穫が待ち遠しいですが、向島特産のイチジクの樹もぜひ植えたい。イチジクの樹は子どもたちが登りやすい形をしていますし、朝露のついたとれたてイチジクはサイコーに美味しいですから。

また、フィールドでは野菜作りにもチャレンジします。夏には自分たちで育てた野菜たっぷりのランチも登場するでしょう。野菜をうまく育てられるようになれば農業(アグリカルチャー)と幼稚園(キンダガーデン)を組み合わせた「アグリキンダガーデン(Agrikindergarden)」という新たな構想もあります…が、それはもう少し先の話でしょうか。

と、こんなことあんなことを想像して頭を膨らませたわけですが、所詮大人が考えることなんて堅苦しくてちっぽけなものです。きっと子どもたちはそんな想像を軽々と飛び越えて、のびのびと自由に過ごしてくれるだろうと楽しみにしています。

いずれにせよ、ここは大人たちの夢もたくさん詰まったフィードになるわけですから、まずは最低限の安全を整え、使いながら子どもたちの気持ちに合わせて作り変えられる余白を残し、あまり作りすぎないこと、自分たちでつくること、あるものを使うことにも気をつけ、心を広げて挑んだのです。

LINK
アトリエアーキツリー https://www.mountainblue.jp/architree
むかいしまseeds http://www.mukaishimaseeds.com

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